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コレステロールの治療

  1. 國廣医師の目標
  2. 当院でのコレステロール治療のメリット
  3. 脂質異常症(高脂血症)とは
  4. 脂質異常症を放っておくと
  5. 脂質異常症の治療
  6. 生活習慣の改善について

國廣医師の治療にかける思い

私は循環器専門医です。循環器、というとわかりにくいかもしれませんが、心臓の専門家です。

私はこの御茶ノ水、駿河台地区を中心にお勤め・お住いの皆様に実現したい夢があります。それは・・・
心筋梗塞ゼロ、心房細動ゼロ、脳血管疾病ゼロ、大動脈瘤の発生ゼロを通じて皆さんに安心と笑顔を届けたいと考えています。

そのために自分のこれまでの経験や知識をすべて使って皆様に最善と思う治療を提供して参ります。

 予約はこちら

当院でのコレステロール(脂質異常症、高脂血症)治療のメリット

  • 駅から近い。JR御茶ノ水駅から1分以内。東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅から2分程度。東京メトロ 新御茶ノ水駅から3分程度。
  • 19:00までの診療。帰宅して自宅そばのクリニックはもう閉まっている場合がありませんか?
  • 午前診療13:00まで。会社の昼休みにちょこっと立ち寄ることも可能です。
  • 資格をもった医師が対応いたします。
  • 超音波エコー機器により、心臓の状態がすぐにわかります。
  • 頸動脈エコーで血管が狭くなっているかどうかがビジュアルですぐに分かります。
  • 心電図検査が可能。
  • 脂質異常症(高脂血症)に伴う合併症の発見が可能です。具体的には、高血圧症、肥満症、無呼吸症候群、糖尿病、大動脈瘤の早期発見と予防に努めています。
  • 肥満からくる無呼吸症候群の人にはCPAP治療を提供することも可能です。(御茶ノ水呼吸器ケアクリニック・順天堂の睡眠・呼吸障害センターと提携しております)

脂質異常症(高脂血症)とは

脂質には、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールがあります。
LDLはいわゆる悪玉、HDLは善玉と言われるものです。LDLコレステロールが140mg/dl以上、HDLコレステロールが40mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl以上、これらのうち一つでもあれば脂質異常症と診断されます。

脂質異常症には、症状は一般的にはありません。ですので、「健康診断でコレステロールが高いと言われました。」という形で気づくことが多いです。家族性コレステロール血症で異常高値の場合は、コレステロールの沈着により、脂肪の塊が手足の腱や皮膚にできたりします。自覚症状はほぼないことが多いので、放置してしまう人が多いのも事実です。

家族性で元々コレステロールの値が高い人もいますが、一般的には過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲み過ぎ、ストレスが脂質異常症と関係していると言われています。
LDLコレステロールは、お肉や揚げ物の脂が多い食事で高くなります。完全食品と言われる牛乳や卵の摂りすぎや、食事の欧米化によって野菜の摂取量の減少、大豆製品の植物性蛋白の摂取量低下も関係しています。
HDLコレステロールは、食事そのものというより、運動不足や内臓脂肪が多い肥満で低下するとされています。中性脂肪は、糖質系の脂と言われています。お菓子の過剰摂取や果物、アルコールによって上昇していきます。

LDLコレステロールや中性脂肪がどれくらい上昇して、HDLコレステロールがどれくらい低下すると、心筋梗塞や脳梗塞になりやすい、とははっきりとは言えません。LDLや中性脂肪が少し高いだけでも他の原因も相まって、突然発症することがあるからです。

ちょっと健康診断で言われたくらいだから大丈夫だろう、では済まされないのです。突然、心筋梗塞になり、脳梗塞になれば、今まで通りの生活は送れません。これが、自覚症状はないけれど治療が必要な理由です。

脂質異常症を放っておくと

前述した通り、自覚症状がほぼないため、気づいても気づかなくても放っておく人が多いです。ですが、放っておくと様々な病態に発展していきます。

脂質異常症は、LDLコレステロールや中性脂肪が必要以上に増えることで、気づかないうちに血管が傷つけられ、水面下で動脈硬化が進行していきます。

一方で、HDLコレステロールは、プラークを肝臓に戻す役割を持っており、動脈硬化の抑制をしています。ですが、HDLが低いと、動脈硬化の抑制がされにくくなってしまいます。

このように、脂質異常症を放っておくと、動脈硬化は知らないうちにどんどん進行します。ある時、突然、脳の血管や心臓の血管が詰まってしまい、脳梗塞や心筋梗塞となり、命の危険に繋がることもあります。

脂質異常症の治療

脂質異常症の治療の目的は、コレステロールや中性脂肪を低下させることで、動脈硬化の進行を予防することです。

脂質異常症=動脈硬化ではありませんので、脂質異常症と言われても、どれくらい動脈硬化が進んでいるかは検査しないとわかりません。なので、心筋梗塞や脳梗塞に至っていない人は、これ以上の動脈硬化の進行を予防することが目的となります。心筋梗塞や脳梗塞になってしまった人は、それらの再発予防が目的です。

治療にあたっては、人それぞれの管理目標値を基準に治療していきます。治療対象は、前述した通り、LDLコレステロールが140mg/dl以上、HDLコレステロールが40mg/dl未満、中性脂肪が150mg/dl以上の一つでもある人です。

まず、どんな人でもHDLコレステロールは40mg/以上、中性脂肪は150mg/dl未満を目指します。LDLコレステロールは、リスクによって管理目標値が分類されています。狭心症心筋梗塞と既に診断されていたり治療されている方は、再発予防が重要なので、正常値以下のLDLコレステロール100mg/dl未満マストの目標です。ですが、「lower is better」と言われ、より下げることがより良いです。

心筋梗塞等はなく、糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化性)のいずれかがある人は、冠動脈疾患死亡高リスク郡に分類され、LDLコレステロール120mg/dl未満を目標にします。

高リスクとなる疾患がない人は、性別・年齢・喫煙状況・収縮期血圧から点数化し、冠動脈疾患死亡リスクが2%以上あるならば高リスクと同様、LDLコレステロール120mg/dl未満、リスクが0.5~2%であるならば中リスクとしLDLコレステロール140mg/dl未満、リスクが0.5%未満であるならばLDLコレステロール160mg/dl未満を目標値としていきます。

治療薬については、コレステロールだけ高いのか、中性脂肪だけ高いのか、どちらも高いのかで選択が異なってきます。

LDLコレステロールのみ高い場合、治療薬は全部で3種類あります。
まず、LDLコレステロールの低下作用のみあるスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)というお薬が第一選択薬です。スタチンは、肝臓でコレステロールを作る酵素を阻害することによってコレステロールを下げます。
スタチンの中だと、スタンダートスタチン(プラバスタチン、シンバスタチン)、ストロングスタチン(アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン)の順に作用が強力になります。これらの中から、コレステロールをどれくらい下げたいのかによって選択します。

例えば、ロスバスタチンはコレステロールを下げる作用が最も強いです。ロスバスタチンは、内服して安定してくれば、内服前のコレステロールの40%を下げるとされています。このように、現在の値と目標値によって選択していきます。

次に、小腸でコレステロールの吸収を阻害するエゼチミブというお薬があります。スタチンは肝臓、このエゼチミブは小腸で作用しますので、併用するのが効果的です。
コレステロールは多すぎると動脈硬化を促進させますが、同時に細胞を作る成分でもあるので実はとっても大事です。スタチンだけで治療している人で、食生活は変化しないのに、コレステロールが上がってくる人がたまにいます。スタチンで肝臓でのコレステロール合成を阻害している分、コレステロールを吸収しようとする力が上がるのではという説もあり、これに対しては吸収阻害剤であるエゼチミブを一緒に飲むことで、またコレステロールが低下していくようになります。なので、併用していくことが有効です。

そして、コレステロールは胆汁と一緒に排泄され小腸から再吸収されるため、胆汁からの排出を促す陰イオン交換樹脂のコレスチラミンとコレスチミドというお薬も使用します。

LDLコレステロールと中性脂肪のどちらも下げるお薬は、2種類あります。ニコチン酸系薬とフィブラート系薬です。副作用も少なからずあるので、それらの状況も見ながら使用します。

中性脂肪のみ高い場合、EPAやオメガ-3脂肪酸エチルという薬を使用します。EPAは青魚から抽出されるものです。血をさらさらにする作用もあります。中性脂肪が500mg/dlを超えてくる場合には、膵炎のリスクがあるとされていますので、これらのお薬を内服していきます。

治療の流れ

  1.  初診 はじめて相談を受けるところです
    • 必用に応じて、採血、レントゲン、心電図、身長・体重測定 などを行います。
    • このときに合併症の検査をおこないます。
  2. 再診 1週間後
    • 検査結果の説明、および初期診断と治療方針を共有します。
  3. 再診 約2週間後
    • 薬の第1次効果判定と心臓のエコーを行います。同時に、大動脈瘤がないかどうかを確認します。
  4. 再診 約2週間後
    • 薬の微調整を行います。
  5. 再診 約2-3週間後
    • 薬の第2次効果判定を行います。
    • この時点で80%の方は血圧のコントロールが完了できます。
    • 頸動脈エコーを行います。高血圧などによる動脈硬化の現状がどうなっているのか、年一回は経過観察をして、より適切な治療の指標にします。
  6. 定期診察 基本的に月に1度の診察
    • 血圧確認、体重増減確認を通じて
    • 年に1度、心エコーを行います。
    • 減塩などの食生活指導、肥満解消、節酒指導、運動指導についてコーチングと評価を行います。
    • 病気ではない状態、ではなく、より健康的にすごすためのプロフェッショナルなアドバイスを提供します。
    • 生涯、心筋梗塞ゼロ、心房細動ゼロ、脳血管動脈疾患ゼロ、大動脈瘤ゼロの人生を通じて、あなたも家族も健康という貴重な財産を活かしきって下さい。

生活習慣の改善について

脂質異常症と診断されたら、まず食生活を振り返ります。
例えばLDLコレステロールが高い場合、外食が多いか、和食とはいえ揚げ物が多いのか、コンビニ食が多いかどうか等です。卵や乳製品を取りすぎていないかもそうです。

糖質制限をしていて、1日に卵を3個とっています!という方だったり、タンパク質で栄養をとろうとしていたりする人で、脂質が上昇していく人も実際にみられます。また、根菜類や青物の野菜、お魚、豆類をとる機会が少ない、という方も多いです。

お仕事で忙しかったり、時間がない人には便利な外食やコンビニ食ですが、脂質異常と言われたら、やはり食生活の改善が必要です。脂身の多い肉類や、乳製品、臓物類、卵の過剰摂取は避け、コレステロールの蓄積を防ぐ食物繊維の多いものを摂取するようにしましょう。例えば、揚げ物を毎日食べているのなら3日に1回にしてみる、鶏肉だったらささみにしてみる、油を使うならオリーブオイルにしてみる、コンビニ食なら野菜や海藻、きのこが入っているサラダを取り入れてみる、定食だったら青魚にしてみる、とかです。夜遅くに食べることは避けて、少しずつ取り入れていきましょう。

中性脂肪が高いと言われたら、ぜひ、腹囲を測定してみてください。男性だと85cm、女性だと90cm以上だと内臓脂肪が蓄積している可能性が高く、より注意が必要です。

その他、おやつで甘いものが多かったり、ついつい手が出るチップスなどのお菓子、ジュースやフルーツの摂取機会が多くないかをみていきます。アルコールも摂取量に応じて糖質の摂取量も上がるので、結果的に中性脂肪が上昇してしまいます。蒸留酒にしています、という方もいますが、残念ながら中性脂肪の値に関しては報われません。基本的には飲酒機会を減らす減酒が必要で、中でも中性脂肪が500mg/dl以上の場合は、一旦禁酒をおすすめしておきます。

「会食が多くて、、、」「一人暮らしでめんどくさくて、、」「お腹すいてつい、、」となることは私たちもよくわかります。その場合は相談していただき、やり方を一緒に考えていきましょう。

そうは言っても、食事だけで改善していくのは難しいですので、食事による取り組みと合わせて運動を取り入れることが効果的です。運動の習慣がない人は、1日30分、人と会話できるぐらいの有酸素運動を、できれば毎日、最低でも週3回取り入れていきましょう。こちらも食事同様、生活への取り入れ方を一緒に考えられればと思います。

 
文責:國廣 崇
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