甲状腺機能異常の治療
甲状腺とは
甲状腺は生きていくのに必要な代謝のホルモンを作り分泌する臓器です。甲状腺ホルモンの分泌異常があると、全身にあらゆる症状を引き起こします。
いつも何となく調子が悪いが、どこが悪いかわからない、元気がないのは歳のせい、と思って諦めていませんか。
甲状腺の病気は、診断がつききちんと治療さえ受けていただければ驚くほど元気になり、健康な人と同様に仕事や運動、食事など何でもできるようになります。妊娠も可能です。
当院では毎週金曜日、甲状腺専門病院の医師が診察をしております。少しでも気になることがあれば、お気軽にご来院ください。
こんな症状、甲状腺機能亢進症かもしれません
- 疲れやすい、だるさを感じる
- 人よりも暑がりである、異常に汗をかく
- イライラし、落ち着かない、眠れない
- 集中力がない
- 手足が震える
- 動悸、頻脈、息切れを感じる
- 手足がむくむ、痒みが出る
- 頚が腫れる
- 下痢や頻回の便通
などなど、これ以外にも多くの症状を引き起こします。
甲状腺機能亢進症とは、血液中の甲状腺ホルモンが多すぎる病気です。
甲状腺ホルモンが増えると、全身の新陳代謝が活発になりすぎてしまいます。そのまま放っておくと、心臓に負担がかかったり、骨がもろくなったりすることがあります。
甲状腺機能亢進症にはいくつか原因がありますが、代表的なものにバセドウ病があります。
バセドウ病は自己免疫疾患の一つで、自分の甲状腺を異物とみなして自己抗体(TRAb,TSAb)を作ってしまい、この自己抗体が甲状腺を過剰に刺激してしまうことで、甲状腺ホルモンが多く分泌されてしまう病気です。
遺伝的なものも含め、いろいろな要因が重なって発症すると考えられています。上記の症状に加え、眼球突出など眼に特徴的な症状が出る人もいます。
治療法は内服薬治療が基本ですが、それぞれの患者さんの病状や経過によって他の治療(手術、放射性ヨウ素治療)を検討することもあります。
治療を急性期はなるべく安静に、過度な運動は制限する必要がありますが、コントロールがついてくれば通常の生活が可能です。気になる症状があればまずはご相談ください。
こんな症状、甲状腺機能低下症かもしれません
- 食欲がないのに体重が増える
- むくむ
- 皮膚が乾燥する
- 寒がりになり、汗をかかなくなった
- ぼーっとしてやる気が出ない
- 体が重く、疲れやすい
- 眠気が強い
- 物忘れが多くなった
- 脈が遅くなった
- 便秘がひどい
- 月経不順
- 頚が腫れる
- コレステロールが高く健康診断で指摘される
などなど、これ以外にもさまざまな症状を引き起こします。
甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンが少なすぎる病気です。
甲状腺ホルモンが低下すると、全身の新陳代謝が悪くなります。そのまま放っておくと血中コレステロールが高値となり、動脈硬化を早めてしまう危険もあります。
甲状腺機能低下症にはいくつか原因がありますが、代表的なものに橋本病(慢性甲状腺炎)があります。
橋本病は自己免疫疾患の一つであり、自分の甲状腺を異物とみなし、甲状腺に対する自己抗体(TgAb、TPOAb)を作ってしまい、その抗体が甲状腺を攻撃し破壊してしまうために、徐々に甲状腺機能が低下してしまう病気です。
はっきりした原因やこの抗体を減らす方法は今のところわかっていません。
治療は根本治療ではなく、ホルモンの補充療法になります。数値に応じて、足りない分の甲状腺ホルモンを内服薬で補っていく、というものです。
劇的な症状がなくご自身ではなかなか分かりにくいことも多いと思いますので、少しでも気になることがあればご相談ください。
甲状腺機能異常の診療は、まずユアクリニックお茶の水にご相談ください
甲状腺機能異常に関しては、バセドウ病や橋本病だけではなくいくつかの病気がありますが、血液検査やエコー検査でおおよその診断がつき、ファーストステップとして当クリニックで検査を行うことができます。
もし特殊な検査や治療が必要な場合や、症状が重い場合、入院管理が必要になった場合でも、同じ医師が専門病院のほうでそのままフォローしますので、スムーズな受診、治療が可能です。
気になる症状はあるけれど、いきなり専門病院や大きな病院には相談しにくい、という方でも気軽に来院いただければと思います。